2012年2月9日木曜日

地下ダム

地下ダムとは何でしょう。ダムは、川をせき止めて貯水池を作るが、地下ダムは、地下水をせき止めて地下に水を貯留する。新しい考え方のダムで、周辺環境に与える影響も少なくてすむ。現在運用されている宮古島の地下ダムは農業用水ではあるが、現地にいってもどこにダムがあるかわからない。ここでは、基盤の水を通さないで泥岩の上に載っている空隙の多い琉球石灰岩を貯留層にしている。成功例であろう。
水の足らないところは、島嶼部や半島部であり、大きな川がなく川に水をためにくいので、渇水年になるといつも困ることになる。房総半島では、利根川の水を延々館山あたりまでひっぱっている。長崎県の半島部では地下ダムの実証試験が行われた。私の係わったのは瀬戸内の島で、実用化できないかということである。いろいろ調査したが、地下水のためやすい川の下流部では、元もと地下水が高く、水をためる容量が少ない。また、海に近いと地下の塩水化の問題もある。川上流部のダムと連携利用すれば、何とかなりそうではあった。その他、全国の地下ダム適地の検討も行ったが、なかなか良い適地がなかった。
発想は良いのであるが、実際の自然条件はむつかしい。

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