2012年3月6日火曜日

トンネルの地質

トンネルを堀る時、地質を調べるのが重要である。なぜか、トンネルの掘りやすさ、堀にくさがわかるし、致命的事故を事前に予測できる。致命的事故とは、切羽(トンネルを掘っているまさに最前線のところで、ここが一番危ない)の崩壊や突発湧水である。また、トンネルから恒常的にどれくらい水が出るかも大体予想できる。
 地質調査をしても実際に掘ってみると調査予測がなかなかあたらないという苦情をよく聞く。1つは深い地質情報を地表付近の情報からなかなか予想がむつかしいということ。2つ目は、変動帯の地質構造は複雑で、なかなか把握できないといくこと。3つ目は、外れているといったほうが、トンネルやさんの儲けが増えることが多いなどである。
 2つ目については、地質技術に関することなので、少し掘り下げる。やわらかい岩の中にランダムに堅い岩が出現する混在岩についての知識はトンネルやさんにもかなり浸透してきたが、深くにあるやわらかく水の出やすい低角度断層を伴うデュプレックス構造はまだ、あまり知られていない。このような変動帯特有の、トンネル工事を惑わせる地質構造などを今後紹介していくべきであろう。

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