2012年3月3日土曜日

ウサギの反撃

山の中を調査しているといろいろことがある。日本でも有名な地すべり地を調査していたとき、狭い沢を露頭を探して歩いていた。するとウサギが飛び出してきた。ウサギには面白い習性がある。1回目に物音を聞いたときには、じっとして動かない。2度目に物音があるとそのとき、見つかったと思い脱兎のように逃げる。山で23度そのような経験をしている。猟師さんは、その習性を知っていて、一度わざと物音をたてて、ウサギをとめてから仕留めるそうだ。
 今回は、どうも1度目の物音を立てたとき、こちらが、ウサギを見つけられなくて2度目の物音を立てたときウサギが飛び出し逃げていってようである。私は猟師でないのでウサギを捕るつもりはないので、なんとはなしに露頭を探しながら、さらに狭い切り立った沢を降りていった。
 すると、突然、砂防ダムが現れた。両岸絶壁で正面に5mくらいの砂防ダムである。ウサギは、その砂防ダムの隅っこに身を縮めていた。ちょうどそこに、調べていた露頭があり、地質調査をしないといけない。ウサギを捕るつもりはないが、そこに近づいていった。逃げるかなと思っていたら、2mくらい近づいた時、私に向かってダッシュしてきた。とっさであったので、びっくりし身をよけた。ウサギはそのまま、狭い沢を脱兎のごとく上流に去っていった。
 さてさて、私は、待望の露頭を前にして地質調査である。窮鼠猫を咬むはありである。

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