2011年12月7日水曜日

能登半島沖地震

 20073月に能登半島沖地震が起こった。すぐに現地に向かうが、被災地に近づくまで、ほとんどのんびりした山間地で被災の形跡がない。直下型地震の典型である。地震断層付近での被災は大きいが、その影響は遠くまで及ばない。
 地震断層の近くに来ると様相は一変し、民家の倒壊・崖崩れがどこにでも認められる。道路の通行もままならない。門前町には、私の住んでいる鶴見にある総持寺の本院がある。ここでも、大きな被害が出ていた。立派な寺院であるが、屋根が大きく重たい性もあって被害が出やすかったのであろう。
 門前町から輪島市にかけての海岸沿いの崖崩れは深刻で、歩いて調査した。直径5m以上のある大きな落石が道路をふさいでいる。海岸を見ると過去の地震で落ちた巨石が多い。過去にも何回も地震を受けてきた地域であろう。輪島市周辺の海岸沿いの斜面崩壊も多いし、古い家屋の倒壊も多い。かなりの震度があったことがわかる。特に、積雪に耐えるように屋根を強化している古い民家の倒壊が多い。
 山崩れによって発生した土石流の土砂が治山ダムによってうまく捕捉され、直下の人家が助かった場所も調査した。この土石流の流下速度は、かなり遅かったようである。研究の課題になる。
 鶴見に帰ると、緑の大きな屋根の総持寺がそびえていた。

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