2011年8月13日土曜日

崖崩れ

 そういえば、ここのところいろいろな相談があったなー。
そうそう、横浜郊外の崖が崩れて周辺に迷惑が掛かって、困っているというのがあったなー。人の良い年配のご夫婦からの相談だった。すぐに現場に駆けつけて、崖を見たときの衝撃を思い出す。崖の下の家は浮き上がって傾いているし、崖の上に段差ができ、崖の上の家は崖に引っかかっているように傾いている。
 崖全体に湧水も多く、地下水が高そうで、単なる崖崩れではないことはすぐにわかった。ご夫婦に挨拶をし、崖がご夫婦の土地であることを確認したうえで、すぐに崖だけでなく斜面周辺を調べることにした。
なぜかというと、地下水が高くて、崖下が盛り上がり、崖上に段差が出来るのは地すべりの特徴である。地すべりは、崖崩れと違って、崖だけを保全してもどうにもならない、周辺斜面全体の土砂災害である。さてさて、歩き回った結果、予想したように崖を含む斜面全体がすべっていることがわかった。
ご夫婦に内容を説明したところ、弁護士さんのところにこれから一緒に行ってもらえないかという。まあ、良いですよと、車で15分くらい掛かって弁護士さんの事務所に着き、事情を説明した。実は、裁判になっていてご夫婦が被告になっているという。いろいろと雑談をすながら裁判所に出す意見書を書く約束をして、事務所を出ようとしたが、この事務所がどうして、急な崖の上に立っている。近くに海が見えて大変景色が良いのであるが、地震が来たらどうなのかなーと要らない心配をした。
後日、裁判の審議のなかで、崖崩れは地すべりであり、関係する住民全体で斜面を保全するという和解が成立したと聞いた。その後、このご夫婦や弁護士さんとの付き合いは続いている。
土地を持つのは資産と考え勝ちだが、悪い土地を持つことは、負債を持つという時代になってきたのかなーと思えてならない。

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