2011年8月14日日曜日

造成地


 そういえば、地元川崎でも、相談があったことを思い出した。大学の立派な先生から話があって、地元でもあるし一緒伺うことにした。相談者は、大学を退官されたご夫婦であった。長く住んでいる家の下は崖になっているが、クヌギ林でたいそう景色が良いのであるが、ここが造成されて住宅地に変わるらしく、崖下で工事が始まっている。造成の影響で我が家が危険になると心配して工事の中止を訴えていた。
 裁判がうまく進まず、困っておられたので、今までの資料を見せてもらって相談に乗った。何度か弁護士事務所に伺って、大学先生と一緒に意見書の作成や裁判所での証言などのお手伝いをした。
 裁判は、時間が掛かるし、いろいろと面倒なことが多いが、いたしかない。地盤の難しい式も使わないといけないときもあったが、今回の弁護士さんは、なんと理学博士の肩書きも持っておられて、数式をすぐに理解する。なんとも頼もしいものだ。
 裁判も終盤に差し掛かってきたが、裁判官にはなかなか理解してもらえないようで敗訴となってしまった。残念だが、実際に崩れが起こっていない崖の危険性を争点としなければならなかったことが、つらいところである。崩れが起こってしまえば、勝てたと思うが、そんなことが起こらないに越したことはない。いたしかゆしである。
 それにしても、弁護士と理学博士を両方持っている人ってどんな勉強をしたのだろう。感心至極である。

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