前回までは、自然災害が続いたので少しわき道にそれて災害の話になりました。豪雨災害だけでなく地震や火山噴火が起こるたびにその直後に現場を見てきました。これらの話はまたいずれすることにして、話を技術夜話本題に戻します。
中国地方にいた際、管轄が山陰から四国まで及んでいたので、西日本の代表的な地質をほぼ見ることが出来、大変勉強になった。たとえば、地すべりでは、破砕帯地すべりの代表地の四国山地、温泉地すべりや第三紀地すべりの出てくる山陰地方、崩壊の多い花崗岩が分布する瀬戸内沿岸地域など日本を代表する多種多様な地質があった。
山岳地のダムも多く手がけ、現在完成してるものも多い。岩盤にオープンクラックがあり苦労したもの。低角度逆断層で苦労したものなどいろいろとあった。トンネルの調査では、湧水、破砕帯、坑口地すべり、薄い土被り、周辺への地下水障害などの問題を解決してきた。空港の建設も当時目白押しで、高盛土の品質や切土の勾配など解決する課題が多い。低地では軟弱な地盤の問題、台地や丘陵地では、盛土や切土の問題がある。水資源の開発では、ダムだけではなく地下ダムや水源井戸の選定、エネルギー問題では、鉱山の地下空間再利用や周辺への汚染問題も担当した。環境問題では、廃棄物処理場の汚染など悩ましいこともあった。
このころは、国土開発が大いに進み、それに係わるに地質や地盤の問題を解決してきた。
もちろん、防災や環境や施設の維持に関することにも係わることもあった。今でもその経験は役に立っている。
地方での業務は、町医者のように細かく多様な相談事を解決する能力が必要で、広い知識が重要と思う。技術士としての大事な要素の1つでもある。