学位論文から発展して、表層崩壊の防止になる鉄根打設工法を考案し、特許をとることにした。鉄根打設工法は、木の根では足りない要素を鉄の根に置き換えて表層崩壊を防ぐもので、木を切らなくてもよい。大変環境に優れた工法で、都市斜面だけでなく、山間地や森林斜面にもうってつけである。
さて、対策の前に表土の厚さや強度を調べる必要がある。表土の調査方法は、土木研究所で開発された土層検査棒がよい。軽くて簡単で、しかも土層の強度が直接求められる。購入していろいろ試してみたところ、使えることがわかった。でも、値段が高い。いろいろな方がやるには、その半額でないとだめだろう。土木研究所と交渉し、特許使用による販売代理店契約をした上で、私の事務所のある川崎近くの町工場に同じものを半額で作れるような技術開発をして売り出している。今のところ順調に売れている。
次は、自分で特許をとった表層崩壊の防止になる鉄根打設工法の売出しである。試作を首都圏のいろいろな斜面でやっているが、今のところ対策斜面での崩壊はない。崖には個性があるので、その場その場でいろいろな工夫は必要だが、大丈夫だろう。
学位論文から、特許に発展して、斜面対策の工法まで考案できたのは技術士としてもすばらしいことだと思っている。あとは売れないといけないがーーー。