2011年11月9日水曜日

災害のたびに現場に

 1991年に環境地質を作って、災害があるたびに現場に出かけるようにしたコンセプトは、環境地質技術は現場にあるという強い意志にある。会社を作った1991年には雲仙普賢岳が噴火し、多くの被害を出した。火砕流という言葉も一般化したほどいろいろな報道が続いた。
 噴火から、20年ほどが経ち忘れられがちであるが、10年や20年の節目ごとには現地を訪れ講演などをやらせていただいている。当時の災害の大変さや防災の工夫を忘れないようにしないといけないと思う。1991年から2011年までの間に、災害直後に調査した現場は、火山噴火で雲仙をはじめ4火山、地震災害では阪神淡路大震災をはじめ10地震、豪雨災害では白河土砂災害はじめ10災害となった。最近20年間に起こった我が国の主要な自然災害はすべて見てきた思う。私の大変な財産である。現場を見ると環境地質技術の新しい発想が生まれる。被災した方には申し訳ないが、それが私の恩返しと思うようにしている。これから現場調査は続けるが、世代交代も必要だろう。
 災害調査では、いろいろな優秀な方と一緒することが常である。彼らとの意見交換も重要な財産と思う。個人の努力は必要だが、技術士は1人だけでは成長しない。広い分野の人のネットワークの大切さがわかる。

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