2011年9月3日土曜日

地図

小さいときから地図が好きで、雨の日などは地図を眺めて1日飽きなかった。まだ見ぬ遠くの世界が見えてきて、夢の世界に入っていける。地図を見て、どうしてここに山脈が出来たのか、海があるのか、湖があるのか、半島や島があるのか不思議なことがあるが、地形図を読込むとその理由がわかることがある。なかなかである。首都や町の位置どりは、人がどのようなところに集まりやすいか見えてくるし、道路や鉄道のルート取りは計画した技術者の力量や苦労がわかる。低地のぬかるみを回避したり、地質の悪い断層や地すべりをうまく避けているのを見ると気持ちが良い。
国境の位置も興味深い。国や国民・民族の駆け引きが見えてくる。古都、遺跡や城跡、戦場跡を記した歴史地図は、当時の生活や戦の様子を彷彿させる。見ていて楽しみは尽きない。
 地質学を始めて、何が楽しいかというと自然を歩くのだけでなく、自分でオリジナルの地質図が描けることである。書いた地質図が、正しいかどうかは、地形に合った地層の分布か、地層の成り立ちや地質構造が素直に読めるかにかかっている。無理があると、後で間違っていたことがわかることが多い。
 数年前に全国の都道府県で、調査していないところはなくなった。地質図を作った場所は、何か我が家のような親しみがあり、その土地を理解したような気がする。
 土地を理解すると、美しい自然環境はどこにあり、自然災害がどこで起きそうかも見えてくる。皆さんももっと地図を読んで欲しい。

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