田舎には、近くにイボ取地蔵があった。川原の近くの小さな祠である。小さいとき、手に小さなイボが出来た。川原でいろいろと好みの石を探し、石を一度イボ取地蔵にお供えする。それを持って帰り、毎日、この石でイボをこすっていると、いつしかイボはぽろっと取れた。この大切な石をイボ取地蔵にお礼にもっていく。そこには、いくつかの石が供えてあった。それから、川原できれいな石を見つけるのが好きになった。それだけで済まないで、近くの山に入っては水晶などの面白い鉱物も集めた。
大学にはいって、地質学を専攻し、化石・岩石や鉱物を研究することになったが、きっかけは、イボ取地蔵にさかのぼるのかもしれない。小さなイボを取ってくれたい石は、記憶をたどると花崗岩のように思う。ざらさらした石でイボを取るのに最適である。小さいときから技術士の素質があったのだろうか。
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